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日高 昭秀; 工藤 保; 石神 努; 石川 淳; 更田 豊志
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(12), p.1192 - 1203, 2004/12
被引用回数:6 パーセンタイル:40.63(Nuclear Science & Technology)原研では、放射性物質の放出機構解明とソースターム高精度予測を目的として、シビアアクシデント条件下における燃料からの放射性物質放出を調べるVEGA実験を行っている。そのうち、圧力影響を調べた実験において、1.0MPaでは0.1MPaに比べCs放出が約30%減少することを観測した。この現象は、結晶粒内拡散に加え開気孔中ガス拡散を考慮した2段階拡散モデルにより説明できることを明らかにした。しかしながら、このモデルは計算時間がかかり、確率論的安全評価等で使用する際は現実的でない。このため、2段階拡散モデルに基づき、燃料表面における開気孔中のガス拡散流束の圧力依存性1/を、放出率速度係数を与える従来のCORSOR-Mに乗じる簡易モデルを導出した。さらに、この簡易モデルを原研のソースタームコードTHALES-2に組み込んで、BWRのTQUXシーケンスにおけるCsI放出を調べた所、格納容器が早期に破損する場合は、環境中放出割合がかえって増加する場合があることを明らかにした。今後、ソースターム計算において1/ CORSOR-Mモデルの使用を提案する。
日高 昭秀; 工藤 保; 中村 武彦; 金沢 徹; 木内 敏男; 上塚 寛
JAERI-Tech 2003-009, 30 Pages, 2003/03
原研では、原子炉のシビアアクシデント条件下における照射済燃料からの放射性物質の放出機構解明とソースターム予測精度向上を目的としてVEGA計画を進めている。その第5回目のVEGA-5実験は、高圧のVEGA-2実験で観測された圧力効果の再現性を確認するとともに、短半減期放射性物質の放出挙動を調べることを目的とし、2002年1月に行った。試験燃料は、事前に研究炉(NSRR)で8時間、再照射した後、被覆管を取り除いた燃焼度47GWd/tU(約8.2年冷却)のPWR燃料ペレット2個(約10.9g)であり、1.0MPa,He不活性雰囲気条件で約2,900Kまで昇温した。実験では、高圧条件下におけるCsの放出抑制現象を再確認するとともに、これまでの再照射無しのVEGA実験では観測することができなかったRu-103,Ba-140等の短半減期核種の放出データを線計測により取得した。